王子様は寮長様
会長の話を黙って聞いていた相馬隆弘は一つ咳ばらいをして、再び話だした。
「早苗さんが亡くなる半年くらい前に、彼女が私を訪ねてきたんだ。」
「お母さんが?」
亡くなる半年前…。
会いに来ていたって…一体なぜ…?
「自分の余命と…その時が来たら、椎菜をよろしく頼むと。」
「そんなことを…!?」
「普通の高校なら出せる貯金はある。しかし、あの歳で一人は可哀相だから、もしあの子が困ったときは助けてあげて欲しい…と私に頭を下げにきたんだよ。」
お母さんっ…!
「私は二つ返事で了解したよ。当たり前だろう?一度は私の娘だった子だ。その娘が困っていたら手を貸してあげたいと思うのは当然だよ。」
照れたように苦笑する。
そんな風に思っていてくれたんだ…。
「それから間もなく、早苗さんが亡くなったことを知り、君が母親の母校である早乙女学院に行きたがっていたことを知った。」
そう。無理だとわかっていたけど、ずっと早乙女学院に…皐月寮に憧れていた。