王子様は寮長様
「はいはい。じゃぁ私達は会場で待つとしよう」
苦笑してみんな部屋から出ていってしまった。
「みんな行っちゃったよ?」
「うん」
ニコニコと笑顔の先輩。
なんだか照れるなぁ。
「この日を楽しみにしてたよ」
「はい」
「いろいろあったけど、この日を迎えられてよかった。」
「はい」
蒼斗先輩は私に向き合う
「俺と結婚してくれて、ありがとう。」
「せんぱい…」
涙がうるっと出てくる
「私こそ、こんな私の家族になってくれてありがとう。」
先輩はうん、と微笑む。
「もうひとりじゃないから。」
先輩が言う。
「二人で幸せになろう。これからは家族だ。」
そう。
家族だね。
15歳でお母さんを亡くしてからひとりだと思ってた。
蒼斗先輩を好きになり、大切にされているって実感出来ていた。
私は本当に幸せ者です。