心から好きと言って【完】



「・・・・留果・・・・?」




康太が私の名前を呼ぶ。




だから私は笑う。




笑顔で康太を抱きしめた。




「・・・・留果?」




「・・・康太・・・好きだよ・・・」




ゆっくりと私は言葉を選んで康太に喋る。




きつく康太に抱き着く。




「康太、好き・・・・でも・・・これは恋の好きじゃないの・・・」




康太は黙って私の言葉を聞く。




「・・・ごめんね・・・康太・・・。私・・・康太の優しさに逃げてたの・・・・だから・・・もういいよ・・・?」




私の首筋に温かい水滴が落ちた。




康太の涙かな・・・・・?




「・・・ありがとう・・・・」




カンッと刃物が床に落ちた。



< 159 / 204 >

この作品をシェア

pagetop