心から好きと言って【完】
「・・・・留果・・・・?」
康太が私の名前を呼ぶ。
だから私は笑う。
笑顔で康太を抱きしめた。
「・・・・留果?」
「・・・康太・・・好きだよ・・・」
ゆっくりと私は言葉を選んで康太に喋る。
きつく康太に抱き着く。
「康太、好き・・・・でも・・・これは恋の好きじゃないの・・・」
康太は黙って私の言葉を聞く。
「・・・ごめんね・・・康太・・・。私・・・康太の優しさに逃げてたの・・・・だから・・・もういいよ・・・?」
私の首筋に温かい水滴が落ちた。
康太の涙かな・・・・・?
「・・・ありがとう・・・・」
カンッと刃物が床に落ちた。