はつ恋

初めてのデート

今日は日曜日光太と初めてのデート。長い付き合いなのに一度も二人で手掛けた事がなかった。


母が部屋に入って来た。


「亜子オシャレしてかなきゃね。」


母が私の服を選ぶ。


私はジーンズにTシャツを重ね着して行こうと思ったのに。

「駄目。もっと女らしくしてかなきゃ。」


母は私に白いフリルのついたワンピースに、ピンクのカーディガン
を着せた。二つに結んだ髪をほどく。その髪をコテでクルクルさせた。


鏡に映る自分、まるで別人母が私に少しだけとお化粧をしてくれた。


「光太君惚れなおすよ。きっと。」


「母さんったら。」


「光太君を亜子が幸せにしてあげてね。光太君を裏切ったら母さん許さないから。」


胸が痛い。母は私の心の中が分かっているのかも知れない。


光太が迎えに来た。母が私の背中を押す。


私は、光太が待つ玄関に急いだ。



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