はつ恋
家の前に着いた時光太が、「今日は楽しかったよありがとうな。」


「ううん私こそ楽しかったよ。又行こうね。」


光太は返事をしない。


「光太、私光太に嫌な思いばかりさせてるよね。でも佳祐の事は忘れたいと思ってるし、佳祐にはその事を伝えたよ。今まで黙っててごめん。」


光太が後ろから、抱き締める。「俺の方こそごめん。嫉妬ばかりしてる情けない男だよ。」


「そんな事ないよ。」


光太が震えてる泣いているのが分かる。


「俺はどうみてもあいつには勝てない。だけど亜子を失いたくない。俺は亜子がいなくなったら、生きていけない。」


光太私はどうすればいい。あなたとずっと一緒にいると言ってるのに、どうすれば信じてもらえるの。


「亜子がほしい。亜子のすべてがほしい。」


それは何を意味するのかは、私にも分かった。


私は光太の顔見て、「いいよ。」と言った。


光太が泣きながら私を抱き締める。今日の光太のキスは涙の味がした。



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