噂の彼の甘い罠†アイドルと秘密の同棲
「おー、何コレ」

タツが目をつけたのは、小学校の劇でやった…赤ずきんの衣装。

女の子は、全員赤ずきんをやった。みんな主役なの。

男の子は、みんな王子様だった。赤ずきんに確か王子様は出てこないはずなのに、王子様。

お母さんが頭ひねってたっけ…。



だから、クラスでただ一人の赤ずきんに選ばれたワケじゃない。

「小学校の時…劇やったんでぇ」

「へぇ。似合いそ~。着てみてよ」

キラキラ笑顔で、平然と言ってくるタツ。

「むっ…無理ですよぉ。私、今高校生ですよぉ!?」

…年齢的にキツいものがぁ。

タツはハンガーから服を外し、頷いてる。




「えー、可愛いじゃん。ぜってー似合うって。無理じゃないよ、きっと。サイズ…大丈夫だろ?」

タツ~、無理なのはサイズじゃないしっ。

しかも小学校の時のが入るって、私はどこまで幼児体型なの…?







…入った。

おいお~い。





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