溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「真田君は、今出張中だったよね…。
確かフランス」
「あ、はい今週末に帰って来ます」
「じゃ…帰って来たら
コンクールの授賞式の件で連絡くれるように言っておいてくれ」
…っ。
私の表情を探るように、ゆっくりとそう言う相模さんを見ると、私の戸惑う気持ちに答えを教えているみたいな視線。
「真田君がコンクールの授賞式の担当になってかなり経つけど、恋人の晴れの舞台を取り仕切るなんて信じられないって言ってたよ」
「晴れの舞台…」
濠は本当に驚いて、信じられなかったはず。
私には仕事への熱意はあっても、野心や向上心に乏しいって事を一番わかってるはずだから。
楽しくお客様に喜んでもらえる仕事ができればそれで満足している姿しか知らない濠にとっては、大賞にエントリーしただけで青天のへきれきだったはず。
「私…濠にちゃんと言ってなくて…」
俯いてこぼれる言葉はあまりにも小さくて途切れがち。
独り言に近い囁きが、相模さんに聞こえたかどうかはわからないけれど。
「真田君は、確かに驚いてたし…最初に知った時は多分混乱してたと思う。
恋人が大賞授賞者だって俺に言ったのは何日か経って落ち着いてからだったし。
でも、『誇りに思う』って嬉しそうだった」
「誇り…ですか」
「そりゃそうだろ。
設計かじってるなら誰でも一度は欲しいって思う賞をとったんだからな」
「…」
欲しいって…確かにそう願ったけれど、動機はかなり個人的で。
「とにかく、真田君からくれぐれも今日は残業させるなって言われてるから、早めに終わっていいから」
私の肩をぽんと叩いた相模さんは、出勤してくる人達からの挨拶を受けながら自分の席へと戻っていった。
確かフランス」
「あ、はい今週末に帰って来ます」
「じゃ…帰って来たら
コンクールの授賞式の件で連絡くれるように言っておいてくれ」
…っ。
私の表情を探るように、ゆっくりとそう言う相模さんを見ると、私の戸惑う気持ちに答えを教えているみたいな視線。
「真田君がコンクールの授賞式の担当になってかなり経つけど、恋人の晴れの舞台を取り仕切るなんて信じられないって言ってたよ」
「晴れの舞台…」
濠は本当に驚いて、信じられなかったはず。
私には仕事への熱意はあっても、野心や向上心に乏しいって事を一番わかってるはずだから。
楽しくお客様に喜んでもらえる仕事ができればそれで満足している姿しか知らない濠にとっては、大賞にエントリーしただけで青天のへきれきだったはず。
「私…濠にちゃんと言ってなくて…」
俯いてこぼれる言葉はあまりにも小さくて途切れがち。
独り言に近い囁きが、相模さんに聞こえたかどうかはわからないけれど。
「真田君は、確かに驚いてたし…最初に知った時は多分混乱してたと思う。
恋人が大賞授賞者だって俺に言ったのは何日か経って落ち着いてからだったし。
でも、『誇りに思う』って嬉しそうだった」
「誇り…ですか」
「そりゃそうだろ。
設計かじってるなら誰でも一度は欲しいって思う賞をとったんだからな」
「…」
欲しいって…確かにそう願ったけれど、動機はかなり個人的で。
「とにかく、真田君からくれぐれも今日は残業させるなって言われてるから、早めに終わっていいから」
私の肩をぽんと叩いた相模さんは、出勤してくる人達からの挨拶を受けながら自分の席へと戻っていった。