溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
あの時は、俺に気をつかわせないように、ぎりぎりまで心臓の事は黙ってたと再会した後教えてくれたけど、俺の目の前で倒れてたら意味ないだろ…。

昔の事を思い出してくっと笑ってしまう。
笑い事じゃないくらいの大きな手術だったけれど透子は無事にのりきって心臓の調子はそれ以来良好。

手術を受けている間、

『なんで心臓なんだよ』

『さっきまで俺を見つめてたじゃないかよ』

突然の展開を受け入れられない俺の精神状態は、自分自身の聴力と声を取り戻した事なんて忘れて。

透子の無事をただ祈ってた。
音も声もいらないから…透子を助けてくれ

ささくれ立つ気持ちを優しくほぐしてくれた笑顔や、俺の冷たく突き放す態度にもめげずに側にいてくれた透子の存在の大きさを実感しながら、それ以上に望むものはないと…涙してたな…。

自分自身の病気を隠していたあの時以来、透子が俺に秘密を持つ事はなかったはずなのに。

今俺から隠そうとしていた…まぁ、すぐにばれるのに、そんないくつかの事。

帰ったらちゃんと聞こうと思う。

ただ一つわかっているのは。

透子が自分自身だけのために隠そうとしていたんじゃないって事。
俺に惚れ過ぎている透子の行動すべては俺の為にある。
自惚れじゃなく事実。

だから、出張前に問い詰める事はやめて、俺のいない間に俺の事ばかりを考えるように段取りをした。

まだまだ序の口。

宿題の後半にむけて今は助走段階だから覚悟しろよ。

何があって、どんな結論を出そうと。

俺は透子を手放さない。
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