溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
仕事中だとわかっていても、相模さんとの打ち合わせの後、事務所フロアに上がる前に急いで透子の携帯を鳴らした。
設計デザインコンクールの大賞を受賞した事を俺に言わずにいる透子の真意が気になって仕方ない。
何度も呼出音が響くだけで、なかなか出ないままに留守番サービスに転送される。
何度かけても同じ。
仕事中なら仕方ないか。
どうにも気になる気持ちを抑えて、携帯を上着のポケットに入れようとした時、突然の振動に落としそうになった。
着信を知らせる音に、透子からかと期待しながら画面を開くと
『彩香ちゃん』
え…?
何か打ち合わせの約束あったか?
「はい、真田です…彩香ちゃん?」
『はい。突然すみません』
「何か、結婚式の事で問題でもあった?」
『いえ、そうじゃないんです。結婚式の準備は順調です。
あの…今透子さんに電話されました?』
「え…?あ、したけど…どうして…?」
突然の彩香ちゃんの言葉に軽く言葉を失いそうになる。