溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
俺の驚いた声に、少し慌てたような彩香ちゃんの声が響いて、携帯を握る手に力が入る。

『あ…たまたま今、透子さんの部署で打ち合わせをしていたんです。
透子さんのデスクに寄ったらいなくて…で、デスクの上の携帯が何度も震えてて。
画面に真田さんの名前があったんで、私がかけちゃったんですけど…。

余計な事でした…?
すみません…』

申し訳なさそうに謝る彩香ちゃんのためらいがちな声が段々と小さくなっていくのを感じて、俺の方が申し訳なくなる。

「いや、彩香ちゃんは気にしなくていいし、いつも透子の様子を伝えてくれてありがたいよ」

慌ててそう言うと、携帯越しにも関わらず彩香ちゃんのホッとした様子が伝わってくる。

本当に、感謝してる。
たまたま透子と同じ営業部に異動して以来、透子の様子を時々連絡してくれている。

透子よりも5年後輩で、いつも周囲に気を配りながら笑顔の彩香ちゃんは、仕事もかなりできるらしくて社内でも一目おかれていると透子も言っている。

かわいらしい容姿も目をひいて、男性からの人気も高いらしいけれど、来月俺の職場のアマザンホテルで結婚式を挙げる事になっている。

相手の男性は、彩香ちゃんの同期。
かなり女性関係は派手だったらしい男前。

けれど、二人に漂う愛情には疑う余地もなくて、幸せになるんだろうと確信できる。
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