溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
久しぶりに朝食を二人分用意し終わって、そろそろ起きてこないかなと寝室を気にしながら洗濯を始めていると、まだ眠そうな濠が起きてきた。
朝には強い濠よりも私が先に起きてる休日なんて珍しくて、よっぽど疲れてるのかな…。
「おはよう。出張疲れてたみたいね。私が起きたのも気付かなかったでしょ」
お味噌汁を温めなおしながら笑う私の横に立つと、濠の唇が落ちてきた。
「ん…っ…」
深いキスを与えられて、その瞬間に私の全ては濠に向かっていく。
いつもの事だけど、二人でいる時間に受ける濠の想いは直球。
側にいたい時には私から離れようとせずに絶えず私のどこかに触れてる。
何か私に不満がある時にはそのままにせずに問いただすし…。
その時は、濠の膝の上に座らされて視線をそらすなんて許されず。
濠の気持ちがおさまるまで私を解放しようとはしない。
出会った10代の頃は、さすがに思春期真っ只中。おまけに濠は聴力に不安を抱えていたし…。
素直に感情を見せるなんてありえないくらいに尖っていた。
投げられる感情はどこかいびつで暗いもので…。
高校生特有のわがままな成長過程だという諦めを差し引いたとしても、あまりにも重い毎日を背負っていた濠の感情は、いつも私に鋭かった。
病院で側にいた日々しか、私には濠の高校生時代を知らないから…濠が聴力の不安から、未来への恐怖を味わっていた時の姿しか知らないから。
濠は感情を素直にぶつけるのがかなり苦手なんだと思っていた。
私が心臓の発作で倒れて、そのまま会えなくなってから再会するまでの濠に対する印象は変わらず
そのままで。
偶然再会して、強い力で濠の胸に抱き寄せられた時に、ようやく濠の本来の姿を知る事ができた。
私に対する感情は素直すぎるほどの真っすぐな強さがこめられていて、斜めにしか見ていなかった視線はダイレクトに私を射る。
『もう、二度と見失わない』
何度も言ってくれるその言葉が、私の中を温めてくれる…。