溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
私を縛る濠にしてみれば、私の微かな変化に気付かないわけない。

自分でも気付かないくらいの微熱があった時にも濠はすぐに気付いて私を会社に行かせなかったくらいに過保護に包んでいた。

そんな敏感な濠に気付かれずに、何も言わないままに…。
人生や二人の将来を左右するような大きな幾つかを、私の意志だけで進めるなんてできるわけないのに。

半年という長くてあっという間の時間。

濠の気持ちを加味することなく、私だけの想いだけで結論を出してきたつもりになっていたけれど。

本当は。

そんなのありえない。

「…半年…私に何も言わなかったのは…どうして?」

とっくに濠には見抜かれていたって理解してる前提で聞いてみると、余裕のある口元が上がった。

私が何を聞いてるのかが当たり前のようにわかってるのか、それとも、ようやく私が思い当たった事に対しての批判なのか…。

目を細めて私を見ながらしばらくは私の首筋にゆるりゆるりと指先を這わせていた。

「全部知ってたって言いたいところだけど。
確実に理解したのは最近。透子が自分の中に感情を押し込んでるってしかわからなかったな。
上の空で俺に接するのに仕事には見た事ないくらいに必死に取り組んでたし…まぁコンクールの作品作りだったけど。

俺に隠す意志はわかったけどそれ以上に透子自身をそんなに変えてしまった何かが気になったんだ。

だから…簡単に問い詰めたりできなかった」

そっと私から視線を外すと、思い出すような表情をした。
それは決して楽しい過去を思い浮かべてるようには見えない…。
悲しくて辛そうに眉をよせてる。

「濠…?」

「ん…。まぁ、最初に会った時の秘密がまだ引っ掛かってるんだろうな」

「秘密?」

「そう。…これだよ」

苦笑しながら吐き出す言葉が震えてる。
はっとして見る瞳も震えてるようで、濠があまり出さない弱さが見え隠れ…。

濠は人差し指を私の左胸に軽く置いた。


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