溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「俺に何も言わずに…
この半年を自分だけで過ごしてたのは透子だろ?透子にも何か思うところはあっただろうけど、俺が側でどう感じるかなんて二の次で、勝手に気持ちを進めて結論出してたのは透子だろ。

…意地が悪いってのは言い過ぎだけど、気分いいもんじゃないよな」

どちらかと言えば、私に対しての感情はダイレクトで熱く…重い濠からの言葉には慣れているから、勢いよく嫌悪感を伝える様子にも嫌な気持ちにはならない。逆に、しっかりと気持ちを伝えてくれるのに慣れているせいか、こうして厳しい口調ででも吐き出してくれる方がホッとしてしまう。

「…俺が何をするにしても、基準は透子を側に置いて愛する事なのにな。透子の行動には俺への愛情は感じられなかった。…気のせいか?ん?」

苦しげな明るい声は、きっと濠自身の本音を隠す為だ…。
冗談混じりだけど、言葉に嘘はないはず。

濠から見たら私の行動は、かなり冷たくて寂しいものだったんだろう。

普通なら、私を問い詰めて、納得するまで引かなかったはず。
それが濠だから。

でもこの半年、私の様子が変わった事をどうしてなのか直接聞くなんてしなかったし、私の変化に気づいてる事すら隠してた…。

それをいい事に、私は着々と一人で動いていた。
引っ越しや異動…。
コンクールでの大賞だって人生を変える大きな出来事なのに黙ってた。

私なりに考えて、それがいいと、濠が持つ私への罪悪感に甘えずに一旦離れた方がいいと…そう思って黙ってた。

濠にしてみれば、そんな私の変化なんてすぐに気づいたんだろうけど、気付かない振りで私の側にいてくれた…。

普段の直情的な私への接し方からは想像できないから…濠がこの半年抑えてきた感情を思うと。

切なくて悲しくて、申し訳なくなる。

まだ寂しさと怒りの混じった顔をじっと見てるうちに、思わず濠の首にしがみついてしまう。

「ごめんなさい。濠に黙っててごめんなさい。
本当は…ずっと苦しかった。
濠から離れたくなかった…何でも言いたかったしただ単純に愛されたかった」

濠の首筋に囁く気持ちは私には抱え続けてきた本音。
唇が震えてうまく濠に伝わってるのかな…。


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