溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「透子が俺以外の男に目を向けるとは思わないけど、やっぱムカつくんだよな。

透子に好きだって言うのは俺だけでいいのに。

…はぁ、玄太といい夕べの男といい…透子が絡まなきゃいい男だと思うけど…ムカつく…」

ふっと苦笑する濠は、軽く肩を竦めて

「ごちそうさま。
やっぱり透子の飯が一番うまいな」

平らげた食器をシンクに持って行った。

それほど長く話していたわけじゃないけれど、濠の言葉一つ一つが濃くて甘くて。

椅子に座ったままとろけてしまった私の足は立ち上がるなんてできない。
ぼんやりと濠の姿を目で追うだけで体中が熱くなる。

「…濠が好きだよ…」

思わず囁いた声はしっかりと濠に届いたみたいで、コーヒーメーカーからコーヒーを注ぐ濠は視線だけを私に向けて

「知ってる」

あっさりと…当たり前のように頷いた。

お互い見つめ合って交わすのは愛情に基づく会話。
言葉はないけど。
幸せになる会話を視線で交わす…。

ほっこりと口元を緩めながら濠を見つめてると、
リビングから携帯の音が聞こえた。

突然の音に濠は不機嫌そうに目を細めた。

「俺だ。…仕事か?」

私に一瞬笑うと、リビングへと向かった濠は電話に出たまま私の隣りに戻ってきた。

「あ、雪美?
もう帰ってきたのか?
…え…?」

隣の椅子を引いて腰掛けた濠は、話しながら少しずつ顔色が変わっていく。

雪美さんからの電話って一体何なんだろ…。

雪美さんは濠と一緒に帰国してないみたいだけど、休みの日にまで電話してくるなんて何の用があるんだろ。
出張中に何かあったのかな。
濠に告白している雪美さんを見ていた私の中には 、見た目もきれいで仕事もできるらしい雪美さんへの警戒感が絶えずあって。
こんな風に電話で話す二人を感じるだけで悲しくなる。
濠が信じられないわけじゃないけど…切ないし不安になる。

「…え?新聞?…そんなスポーツ新聞読まないからなぁ…。

透子が?…は?

あぁ…わかった。今目の前にいるから聞いてみる。

…わかってる。…そんなの関係ないから。
透子はそんな事しない」

私に向けた濠の視線は、驚くほど真剣。
さっきまで漂っていた甘い雰囲気はどこにもない。

…嫌な予感。
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