溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
濠が言う、私の
『新しい人生』
は、絶え間無く鳴る携帯によって幕が上がった。
新聞を見た知り合いからの電話やメールがひっきりなしに届いて、記事による影響力を感じた。
最初は戸惑いと不安ばかりでおろおろしていた私だけど、親や友達…弥恵さん…大切な人達には大丈夫だからとメールを入れて。
「電源切っておけ」
という濠の言葉に従って電源をおとした。
静かになった携帯を見ながら、これから一体どうなっていくんだろうって言葉もなくため息が出た。
吉井さんという名前の知られた人との写真はかなりの話題性を持っているのはわかるけれど、その相手が私なのに…。
世間がそれほど興味を持つとも思えない。
でも、何人かの女性と一緒にいる写真を撮られた事がある吉井さんなら慣れているはずなのに。
さっきの電話の慌てようは、それだけで私の気持ちを更に不安にする。
すぐに収まる騒ぎだと軽く考えるのは甘いのかな…。
さっき、濠がコンビニで買ってきてくれた新聞に載っている吉井さんと私の記事は、すぐにでも私達が結婚しそうな文面で埋められていた。
そんな内容に、吉井さんも驚いたのかどうかはわからないけれど、確かにため息の出るのは止められない。
そんな記事や写真を見る濠は無表情なままにじっと固まる様子に私の緊張感は右上がり。
カーペットの上に広げた新聞で笑ってる私を見る瞳からは、どんな想いを抱えているのか…。
マスコミからの注目への不安よりも、濠がどう感じているのかという不安の方が大きい。
吉井さんとやましい事は一切ないけれど、濠が誤解したり悲しい気持ちになって、私への愛情にかげりがうまれたり距離を置かれたりしたら…。
私への絶対的な愛情で包んでくれる濠に、疑われたり手放されたり…。
マスコミへの警戒を忘れていた自分が情けない…。
もう二度と…気を抜いたりしないから…。
濠、私を信じて…。