溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



週末のウェディングサロンはかなり忙しそうで、佐賀さんにもまだまだ予約を受けているカップルが待っていた。
その中で、無理を言って時間を作ってもらったらしい濠は恐縮したように御礼を言っていた。
横にいる私も慌てて頭を下げて、気付くと濠と一緒に謝ったり…。
佐賀さんはそんな私達に、優しく言い聞かせるように

「ふふっ。いいのよ。
真田くんが幸せそうな顔をじっくりと見られて私も得した気分よ。
早速みんなに自慢しなきゃね」

そう軽やかに言って席を離れた。
私と濠も、手元の資料やカタログをまとめてサロンを出た。

「ちょっと宴会場覗いてく?」

思いついたような声の濠は、私の返事も待たずにエレベーターに向かった。
ちょうど開いた扉の前で降りてくる人達をよけながら立っていると、

「あ、真田さん」

エレベーターにいる人から声がかけられた。
はっと見ると、仲良く腕を組んでいる昴と彩香ちゃんが驚いたように立っていた。
夕べの宴会の後、私と濠は二次会にも行かずに帰ったけど、この二人は遅くまで飲んでたはずだけど。

二人とも幸せそうに寄り添っていて、すっきりしている。
入社以来女の子絡みの噂が絶えなくて、なかなか有名な昴が結婚を決めて
からは相手の彩香ちゃんも含めてあらゆる憶測が社内を席巻しているけれど、こうして二人が並ぶ姿を見ると昴には彩香ちゃんしかいないんじゃないかと…自然に思える。

多分彩香ちゃんにも昴の過去の行動は耳に入ってるだろうし、悩んだり胸を痛める事も多かっただろうけど…。

思いがけない昴の彩香ちゃんへの執着ぶりや結婚への前向きな様子を見る限り、今では何の不安もなさそうに感じる。

「あ、打ち合わせか?
彩香ちゃんの衣装の仕立て直しもできてるって衣装室の女の子が言ってたけど」

濠がエレベーターに乗り込む後を私も続いて乗り込んだ。

エレベーターの中には、昴達以外にもう一人女性が立っていた。

一瞬驚いたような顔をした濠は、

「森下先生…」

呟いて、驚いていた。

森下って…彩香ちゃんのお母さん…?
< 227 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop