溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「濠くんにはいろいろお世話になってるみたいね。
彩香達無理言ってない?
本当にこの二人って結婚するのが楽しみで仕方ないみたいで周りが見えてないから…」

はははっと笑う声はサバサバしていて、ショートカットにスリムなパンツスーツの外見を裏切らない。
普段から、どちらかというとおとなしくてひっそりと笑っている…それでいて目をひく可愛さの彩香ちゃんとは雰囲気が違って見える。
落ち着いて堂々とした表情が生き生きとしているのはきっと、彩香ちゃんの結婚が嬉しくてたまらないんだろうな…。

「母さん…あまり恥ずかしい事言わないでよ…」

照れたような彩香ちゃんと、くくっと笑う昴。
会社で見る二人と違って、ためらいもなく寄り添う距離が甘い。

「あら、嘘じゃないでしょ。昴くんとじゃなきゃ結婚しないって言って突然婚約しちゃって…」

「なっ…母さん…っ」

「ほら照れない照れない。いいじゃない。唯一大好きな人と結婚できるなんて幸せなんだし。
存分に見せつければいいのよ」

「…そうだけど…」

何を言われても動じない彩香ちゃんのお母さん。
ただただ苦笑している昴は、こんな展開に慣れてるようで、彩香ちゃんの肩を軽く抱き寄せた。
そのあまりにも自然な様子に私も暖かくなってくる。

「本当、濠くんと彩香をお見合いさせる考えは最高だと思ったのに、こんな結果になって…まあ、結果オーライね。

濠くんだって純愛を実らせたんだもんね」

何気なくそう呟く彩香ちゃんのお母さんは、肩を竦めて満足げに濠を見た。
濠は、一瞬戸惑った表情を見せたけれど。

「確かに…見合いの話はびっくりでしたけど…
嬉しかったですよ」

え…?
お見合いの相手って…彩香ちゃん…?
それに…彩香ちゃんとのお見合いが…嬉しかったってどういう…?
私を側に置きながら、お見合いをしようって前向きに考えてたって事?
訳がわからない。

何も言えず、呆然とする私の腕を取って。
何事もないように笑う濠の気持ちがわからない。

そんな中で、エレベーターは止まった。

彩香ちゃん達も宴会場の確認に来たらしく一緒に降りた。
私は濠に引っ張られるままに力無く足をただ動かすだけ…。

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