溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
私も心臓の治療の為に入退院を繰り返していたから、そのストレスや先の見えない不安は濠以上に抱えていたけれど。
当たり前になっていたその日常を受け入れる術を身につけていたせいか、感情の波を荒立てるよりは閉ざして生きていた私。
濠にしてみれば、朝目が覚めれば一変していた世界。
音もなく、言葉を発する事もできない状況を理解するなんて途方もない力が必要だったに違いない。
病院で出会った当時の濠には荒んだ感情しか見当たらなかったのも当たり前で、見た目の良さも手伝って院内ではかなり知られていた存在。
たまたま耳鼻科を受診した私が気持ちをぐっと持っていかれたのは、その外見だったからかもしれないけれど、濠の近くにいる時間に比例して。
その悲しみや諦めでさえ愛しく思うようになって
離れられない想いに支配されるのに、時間はかからなかった。
「透子と初めて会った時にも、森下先生に向かってイライラをぶつけてた時だったよな…」
おかしそうに笑う声。
外来で診察を受けていた私が見た濠は、森下先生に必死でなだめられながら治療を受けていた。
けれど、周囲から固く心を閉ざして冷めた視線を投げる濠に周りは何もできなかった。
森下先生だって諦めないまでも途方に暮れていて濠の反抗的な態度にオロオロとするばかりで。
「本当に…逞しくなったよな」
あの頃の森下先生を思い出しているのか、少し遠い目の濠。
ずっと耳の検診に通っていたって言ってた言葉が気になる。
再会してからずっとそんな事気付かずにいた。
「…もう…大丈夫なの…?その…耳は」
「あぁ。透子が倒れた時に思わず声が出て…耳も聞こえるようになってからは何もないんだ。
だから心配いらない」
ゆっくりと私を安心させるように話す濠には、何も隠しているような様子は感じられなくて。
本当に大丈夫なんだろうなあって思えるけれど、それならどうして…。
こんなに長い間検診に通っているんだろう…。
「今も森下先生に診てもらってるの?」
「そう。ずっと診てもらってる。
とはいっても半年に一度くらい世間話をしに行く感じなんだけどな」
「…そうなんだ」
小さく呟く私の声に不安を感じたのか、にやりと笑う濠に抱き寄せられた。
当たり前になっていたその日常を受け入れる術を身につけていたせいか、感情の波を荒立てるよりは閉ざして生きていた私。
濠にしてみれば、朝目が覚めれば一変していた世界。
音もなく、言葉を発する事もできない状況を理解するなんて途方もない力が必要だったに違いない。
病院で出会った当時の濠には荒んだ感情しか見当たらなかったのも当たり前で、見た目の良さも手伝って院内ではかなり知られていた存在。
たまたま耳鼻科を受診した私が気持ちをぐっと持っていかれたのは、その外見だったからかもしれないけれど、濠の近くにいる時間に比例して。
その悲しみや諦めでさえ愛しく思うようになって
離れられない想いに支配されるのに、時間はかからなかった。
「透子と初めて会った時にも、森下先生に向かってイライラをぶつけてた時だったよな…」
おかしそうに笑う声。
外来で診察を受けていた私が見た濠は、森下先生に必死でなだめられながら治療を受けていた。
けれど、周囲から固く心を閉ざして冷めた視線を投げる濠に周りは何もできなかった。
森下先生だって諦めないまでも途方に暮れていて濠の反抗的な態度にオロオロとするばかりで。
「本当に…逞しくなったよな」
あの頃の森下先生を思い出しているのか、少し遠い目の濠。
ずっと耳の検診に通っていたって言ってた言葉が気になる。
再会してからずっとそんな事気付かずにいた。
「…もう…大丈夫なの…?その…耳は」
「あぁ。透子が倒れた時に思わず声が出て…耳も聞こえるようになってからは何もないんだ。
だから心配いらない」
ゆっくりと私を安心させるように話す濠には、何も隠しているような様子は感じられなくて。
本当に大丈夫なんだろうなあって思えるけれど、それならどうして…。
こんなに長い間検診に通っているんだろう…。
「今も森下先生に診てもらってるの?」
「そう。ずっと診てもらってる。
とはいっても半年に一度くらい世間話をしに行く感じなんだけどな」
「…そうなんだ」
小さく呟く私の声に不安を感じたのか、にやりと笑う濠に抱き寄せられた。