溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
明るい陽射しが濠を照らしている中、同じくらいに明るい笑顔で天井を仰ぐと。
小さく息を吐いた…。
くすっと笑い声さえ聞こえてきそうなその仕種は私のちょっとした緊張感を消してくれるような軽やかさ。
「…俺がもしも透子の父親なら、俺との結婚は許さないだろうな…」
「え…?」
突然の言葉の意味がわからない…。
結婚を許さないって…。
「そりゃ、一応それなりの職に就いてるし過去はともかく今は透子一筋で…。
ほかの女なんかいらないって思うけど」
「…濠?」
私の頭を軽く撫でて、そっと背を向けて離れる濠の背中を見つめたまま動けない。
…何の話をしようとしてるの?
「多分…俺の透子への想いは他のどんな男にも負けるわけないって思うけど…それだけじゃ結婚は認めないだろうな」
「…どうして?それだけじゃだめなの?」
「ん…踏み切れない…踏み切れなかった」
「…」
決して重い口調じゃないけれど、敢えてそうしているような気もする。
重くなりそうな言葉をわざとはぐらかすような。
「透子の心臓は…手術もして経過も良好で。
出産だって大丈夫だって言われてるだろ?」
「あ…うん。そうだけど…」
確かに。
手術した後も定期的に検診には通っているけれど何も異常なく順調に過ごせている。
この先、妊娠や出産も大丈夫だとお医者さんには言われてる。
若い頃に望んでいた未来の一部を手に入れる事ができた私は本当に幸せだと思う。
夢のようだと言っても大袈裟じゃない。
愛する濠の子供を産む事ができる未来を現実にする事ができるなんて、濠と出会った頃には考えられなかった。
「私の心臓は、出産にも耐えられるよ。だから心配しないで…
あ、もしかして、その事で結婚させないとか言ってる…?」
不意に不安が心を覆ってくるのを感じる…。
もしかして私と結婚したくなかった…?
やだ…。
私は濠と戸籍を共にする事ができて嬉しいのに。
濠はそうじゃないの?
「…結婚した事…後悔してるの?」
「違うよ。透子を俺に縛り付ける最強の手段だからな、結婚は。
俺は本当に嬉しいし望んでたんだ」
「じゃ、どうして…結婚させないとか言うの…?」