溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
ささやかに感じる幸せを積み重ねて。
母さんと有二パパに与えてもらう家族としての当たり前のような愛情に慣れていた私には。
眩しいくらいに輝く竜の絵の重みに圧倒されてしまって、見上げたまま動けなくなってしまった。
足元から力が抜けて…立っているのか浮かんでいるのかもはっきりと認識できないような曖昧な感覚の中で、ただただ見つめていた。
親子の竜を。
「透明なガラス…透子ちゃんの事だよ。
透き通った心を持った女性になって欲しいっていう小山内さんの想いからつけられた名前だって」
「あ…はい。母から聞いた事があります」
「そう…。
透子ちゃんを思い出す透明なガラスに竜の絵をのせて…離れ離れの人生を送る娘と…せめてこのガラスの中だけでも一緒に…寄り添いたいって…」
話す仁科さんの声も、どこか震えていて…、私には今までで一番の衝撃に違いない驚きを助長している。
潤んだ仁科さんの瞳。
きっと、父の事を思い出してるんだろうな…。
わかってはいたけれど、父の事が好きで仕方なかったんだろう。
握りしめる手を見れば思いの強さもわかる。
「透明なガラスに竜。
竜は竜臣の竜だから。
…透子ちゃんを愛してる竜が、ここにいるから。
側にいたくて仕方ないのに…叶わないまま…会えないまま天に昇ってしまった竜が…いるから。
その事を…忘れないでくれ」
何もかも。
今までの私の人生は一体何だったのかと…悔しくて切ない思いしか巡らない心には、当たり前に過ごしてきたささやかな愛情に彩られていた過去をも打ち砕くような重さ。
母さんと有二パパからの愛情とは違う愛情が、今目の前に広がっていて。
「…どうしよう…」
溢れる涙は頬をつたって足元のカーペットに水玉模様を作る。
そんな状況に気を配るなんてできないまま、ただ昇りゆく竜を見つめてるだけ。
母さんと有二パパに与えてもらう家族としての当たり前のような愛情に慣れていた私には。
眩しいくらいに輝く竜の絵の重みに圧倒されてしまって、見上げたまま動けなくなってしまった。
足元から力が抜けて…立っているのか浮かんでいるのかもはっきりと認識できないような曖昧な感覚の中で、ただただ見つめていた。
親子の竜を。
「透明なガラス…透子ちゃんの事だよ。
透き通った心を持った女性になって欲しいっていう小山内さんの想いからつけられた名前だって」
「あ…はい。母から聞いた事があります」
「そう…。
透子ちゃんを思い出す透明なガラスに竜の絵をのせて…離れ離れの人生を送る娘と…せめてこのガラスの中だけでも一緒に…寄り添いたいって…」
話す仁科さんの声も、どこか震えていて…、私には今までで一番の衝撃に違いない驚きを助長している。
潤んだ仁科さんの瞳。
きっと、父の事を思い出してるんだろうな…。
わかってはいたけれど、父の事が好きで仕方なかったんだろう。
握りしめる手を見れば思いの強さもわかる。
「透明なガラスに竜。
竜は竜臣の竜だから。
…透子ちゃんを愛してる竜が、ここにいるから。
側にいたくて仕方ないのに…叶わないまま…会えないまま天に昇ってしまった竜が…いるから。
その事を…忘れないでくれ」
何もかも。
今までの私の人生は一体何だったのかと…悔しくて切ない思いしか巡らない心には、当たり前に過ごしてきたささやかな愛情に彩られていた過去をも打ち砕くような重さ。
母さんと有二パパからの愛情とは違う愛情が、今目の前に広がっていて。
「…どうしよう…」
溢れる涙は頬をつたって足元のカーペットに水玉模様を作る。
そんな状況に気を配るなんてできないまま、ただ昇りゆく竜を見つめてるだけ。