溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
しばらくして、固くなった心をお風呂でゆっくりと癒してから。

のんびりとベッドでごろごろとしていると、玄関が開く音がした。

え…?

今日は来ないって言ってたのに…。

きっと、濠が来たんだ。

慌てて起き上がってリビングに行くと、ちょうど入ってきた濠と目が合った。

「どうしたの?今日は自分の部屋に帰るって言ってたよね」

「…そのつもりだったんだけど、普段の慣れで気がついたらこっちに来てた。…いいだろ?」

「いいけど、週末からの出張の準備は大丈夫なの?」

ソファに座り込んでネクタイを緩める濠は、かなり疲れてるように見える。
顔にも疲労の色が濃くて背もたれに身体を預けて目を閉じていた。

「明日はちゃんと帰るから、準備は明日。
まぁ、出張なんて慣れてるからすぐに終わるし」

「そうだね…。
あ、夕飯は何か食べたの?」

「いや…それどころじゃなかったからな…忙しくて」

苦笑しながら向けられた疲れてる顔に、なんだか切なくなる。

「じゃ、何か用意するからお風呂に入っておいでよ。
そんな疲れた顔じゃ、ホテルの接客なんてできないよ」

にっこり笑って、脱ぎ捨てられたスーツのジャケットを拾いながら濠の前に立つと。

「その前にキスしろ」

…え…。

「いいだろ。俺がお前とキスするの好きなの知ってるだろ」

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