溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
明日からの業務の打ち合わせを終えて会社を出たのは夜の8時過ぎ。
異動したばかりだとはいえ、新人には程遠い私に課せられた今後のスケジュールは相当なレベルの高さと量。
もともと営業設計とのつながりもあったせいか、しばらくは慣れる事に専念しようと甘えていた考えは、一瞬にして消えてしまった。
『明日からは戦力だから』
相模さんの一言はとても重くて、会社の中枢に飛び込んだ現実から逃げられない現実。
体にゆっくりと染み渡る
これからの厳しさを感じながら駅へ向かっていた。
コンクールの大賞をとった事から派生する未来の私を考えても気持ちは重くなる。
私がこの先発揮していかなければならない実力…。
設計界全体の財産として必要とされるに値する実力が私に備わっているのか…。
全く自信がない。
もともと私が大賞を目指した理由だって…。
未来につなげるための野望なんて全くなかった。
絵を描いたり建物を眺めたり、自分が設計した家から笑い声が聞こえたり、そんな小さな事だけで幸せに思えていた。
そんな私がコンクールに出品すると決めたのは。
濠にさえ言わなかったきっかけ…。
…大丈夫かな、私…。
ため息をつきながら、左手の薬指に光る指輪をじっと見てしまう。
昴にもすぐに気づかれたダイヤの指輪。