溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
そう思ってしまうと、途端に濠に会いたくてたまらなくなる。
今までにも、濠の出張で離れる事は何度かあったけど、こんなに空虚な気持ちは味わった事がない。
きっと婚約指輪に違いない煌めきを一人で見つめるなんて…。

思いがけないサプライズを一人で受け止めるのは、かなり寂しくて不安定。

側にいて欲しい濠がいない時間が、こんなに苦しいなんて…。

会いたい。
会いたい。

抱きしめたい。

今すぐ。

指輪の輝きのせいか、高ぶる気持ちが私の目の奥を熱くする。

半泣きの感情を閉じ込めて、早足で駅までもう少し…というところで、鞄に入れている携帯が鳴って立ち止まった。

見慣れない番号が表示された画面を見て、慌てて通話ボタンを押した。

「もしもしっ」

上ずった声に、電話の向こうから軽く笑う声が聞こえてきて、一気に鼓動は速くなる。

「そんなに俺の声聞きたかったか?」

欲しい声が聞こえてきて体中が満たされていく。
こんなにも濠の声が嬉しく思えるなんて、自分でも意外だけど…。

「聞きたかったし…会いたい」

素直にそう言ってしまう自分にも驚いてしまう。

「久しぶりだな。そんな甘えてる透子の声。
たまに出張行くのも悪くないな…」

私の気持ちをからかうような軽い濠の声に、少し物足りなさも感じる。

「濠は…?会いたいって思わないの?」

「ふん。そんな甘ったるい感情はどっか行ったよ。ただ、透子を抱きたいんだよ、俺は」

「…っ」

最後は囁くような小さな声だったけど、はっきりと聞こえた濠の言葉に、
思わず何も言えなくて…。
きっと、私の顔は真っ赤になってるはず。

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