溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~
「プロポーズなんている?
結婚するって俺が決めてるんだし透子がどうでも手放さないし。

結婚するから」

「…」

じっと聞きながら、携帯を強く握りしめて。

濠の今の言葉を繰り返し…確認する。

結婚する…。

手放さない。

「でも、濠には…濠の…人生が…」

震える声で、目の奥の熱さを感じながら呟いた。
濠には…濠には…。

「透子との人生以外に
俺には何もないから。
色々複雑に考えるな。
…俺の幸せなら透子が与えてくれ」

「濠…」

甘く嬉しい言葉が私の涙を誘う。
今までにも、私を安心させてくれる言葉をいくつも言ってくれたけど、今ほど心に染みる事はなかった。

「だから、逃げるなよ。余計な事せずに俺が帰るの待ってろ」

「濠…でも…じゃ、なんで…」

なんでお見合いしたの…?
私を側に置いておくつもりなら、お見合いなんて断ってるはずなのに。
私と寄り添う以外の人生を考えたんでしょ?

「ねぇ…」

頬に流れる涙を手の甲で拭いながら、ようやく
濠に聞こうとしたけれど。

「真田くん、急がないと昼からの研修始まるから」

携帯の向こうから聞こえる女性の声に体は一瞬で固まった。

「あぁ…わかったすぐに行くから先に行っててくれ」

わかった…と小さな声が聞こえて、濠のため息を感じる。

「透子ごめん。研修続くから行くけど。
また電話する。

ちゃんと宿題しろよ」

くくっと笑って、じゃぁって…。
電話は切れた。

切った瞬間から…濠の側にいる雪美さんの事が浮かんでくる。

電話越しの女性の声は雪美さんだった。

今この瞬間にも、濠の隣にいるのは私じゃなくて雪美さん。

…濠…。

会いたい。
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