溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



6月の朝は早い。

6時には部屋に朝日が差し込んで夜明けを教えてくれる。
目覚ましが鳴る前に、明るくなった気配によって起こされる事もよくある。

濠の部屋にも、ベランダに面したガラス窓から明るい光が入ってきて、朝を教えてくれる。

一緒のベッドで眠るようになった当初は、そんな朝に慣れなくて

『遮光カーテンに変えようよ』

って何度か言ってみたけれど、笑って流されるだけで取り合ってもらえなかった。

それどころか、私の部屋に泊まる夜が多くなった頃には、私の寝室に元々あったお気に入りの遮光カーテンから、薄手のカーテンに取り替えられてしまった。

『朝が来たってわかりやすいだろ?』

曖昧に笑ってそう言う言葉にとりあえず納得したまま10年がたって、私も濠に慣らされてしまって。

朝日が部屋に差し込む朝を楽しめるようになった。

明るい朝日は、私の胸に顔を埋めて眠る濠の寝顔もはっきりと見せてくれて、しばらくじっと見ていたり。

…幸せなひと時。

そんな幸せ。
例え濠のベッドで目覚めても一人だったら味わう事もできない。
目覚めて最初に目に入るのが濠の顔って…。
それがどれほど幸せな事なのかが切ないほどわかる。

夕べ、濠との電話を終えた後の喪失感…寂しさに堪えられなくて。
結局濠の部屋に帰ってきた。
引っ越しの後片付けも終わっていないのに、濠の気配が何も感じられない新しい部屋に帰りたくなくて、続けて濠のベッドで夜を明かした。

情けない…濠がいない日々を受け止められない…。
こんなに濠が好きで、弱い自分を実感してしまう。
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