キミとの恋の課外授業

「ねぇ、石澤先生、なにか気づかない?」


上目使いで、何気に髪を触りながら俺の顔をジッと見つめる里沙。


里沙の表情から、髪型が似合ってるか聞きたいんだろう?


この場合“ポニーテール凄く似合ってるよ”ってすぐに言ってあげた方が喜ぶの分かってるんだけどさ



「なにが?なにかあったか?」


ワザと気づかぬフリしてるのは



「もういい。行こう」


むくれてイジケル里沙の顔がもっと見てみたいからなんだよ。


お前、いい加減、俺の性格気づけよな?


好きな女の子には、意地悪したくなるんだよ。


むくれて、俺の横を通り過ぎようとする里沙を「待てよ」と呼び止めて


「ポニーテール。似合ってんじゃん。可愛いよ」


耳元で肩をポンと叩いて通り過ぎた。

チラッと後ろを振り向くと顔を真っ赤にさせて喜ぶ里沙の顔が見えた。


可愛い過ぎなんだよ。バカ。

俺は一瞬だけべーと舌を出して、何もなかった顔で授業の準備を始めると、他の生徒達がやってきた。




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