キミとの恋の課外授業

「俺と付き合え」

里沙side



プカプカ浮かぶ鱗雲を眺めながら歩いていたら

仲良さそうに笑いながら、お母さんと話す省にぃの姿。


なによ。省にぃ。あんな風に笑えるじゃん。

あたしには、いっつもツッケンドな態度ばっかで

あんな笑顔、見せた事ないくせに。


「省にぃ、うちのお母さんと一緒に歩いて楽しそうだね」


あたしに気づいた省にぃに、横目で見ながら、からかって言うと


「まぁな。おばちゃん。お前より綺麗だしな」と、お母さんの肩に腕を回した。

なんか…無性に腹が立つのはなんでだろう?


なんか…マジでムカつく。ヅカヅカと2人に近寄り、お母さんの手からスーパーのビニール袋を取って

「はい、これもね」と省にぃに渡して


「お母さん、帰るよ」

サッサとお母さんの腕を握って早歩きで省にぃを置いて歩いた。


「おい!?待て!なんで俺だけ!?お前も持てよ!」


そう叫ぶ省にぃを無視して、目の前に見えてきた家のドアを開けて中に入ると

省にぃが入ってくる前に勢いよくバタンとドアを閉めた。



< 87 / 243 >

この作品をシェア

pagetop