キミとの恋の課外授業
「へいへい。分かりましたよ。離れて歩きゃいいんだろう」
「そういう事。省にぃも分かってんじゃない」
「なに。俺だって、お前みたいなチンチクリンと、変な噂が立つのがイヤなだけだよ」
「なっ!?」
あたしが“チンチクリン”ですって!?あたしが“チンチクリン”なら、省にぃは“バカでくの坊”だよ。
けど、それを言ったら、また倍になって返ってきそうだから
心の中で“バカでくの坊”と呟いた。
「ほれ、チンチクリン。先に歩け。後ろから見ててやっから」
シッシッと、犬か猫を追い払うような手つきで、早く行けの仕草。
「ムッ。失礼ね。あたしは犬や猫じゃないもん」
文句をブツブツ言いながらドンドン省にぃより先に歩いた。