王子様とお姫様の秘密の決断
前に回された手を掴んでも簡単には振りほどけない。

「…今だけで良いから」

消えそうな声で言わないでよ!

何も言えなくなるじゃない。

後ろから抱きしめられたまま、窓の外を眺めてどれくらいたったのか…

一秒がもの凄く長く感じているに違いなくて…

「ごはん冷めちゃうよ…」

精一杯の抵抗だった。
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