幸福論
―――嘘つく人、嫌い。

―――嫌いな生徒には、補習しないでしょ?

清浦は、不思議な顔をした。

確かに、補習は面倒くさい。
それは、生徒も教師も一緒だろう。

しかし、俺も清浦も、なぜか同じことを思っていた。

相手に

『補習をしよう。』

と言ってほしかった。

自分では、言えなかった。

だけど、したかった。

やめたくなかった。

拒否してほしくなかった。

「んー。あいつ可愛いもんな。」

ふと、夢中でスパゲッティを頬張る清浦を思い出した。

「ああ、眠い。」

揺れる煙草を見ながら、ふとつぶやいてみた。
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