幸福論
サイゼリアを後にして、学校に戻る。
そして2日目の補習を始めた。

数学のどこがわからないか訊くと、

「数Ⅲは初めからよくわかりません。」

という答えが返ってきた。
うん。じゃあ、あれだな、初めから授業形式で進めていこう。
あと、授業の復習もだな。
毎日だいたい1時間半くらいが目安時間。
これなら、そんなにつらくないだろう。

「いつまでやるんですか?」

「そうだな、とりあえず6月の半ばの実力テストまでに40点は取れるようになろう。」

「その後は?」

「期末までやってやるよ。少なくとも赤点は取らないようにしてやる。」

清浦は、不思議な顔をして、

「わかりました。」

と答えた。

それで、今日の補習…というか、補習のミーティングは終わり。
煙草を取り出し、口に咥える。
あ、ライターライター・・・。

「はい、火。」

火が差し出される。
清浦が、背伸びをしながら、ライターをかざしていた。

「ライター、おきっぱなしにするのは、どうかと思いますよ。」

どうやら、俺は、机の上にライターをおきっぱなしにしていたらしい。
清浦は、ライターを元あった位置に戻すと、昨日と同じように、さようなら、と言って、部屋をあとにした。
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