蜜林檎 *Ⅱ*
行き交う人は皆、満面の笑みを
浮かべて樹の事を話している。
あちら、こちらに、樹への愛
が溢れている。
「アンズちゃん、来てたの」
振り返った杏の傍に、鏡子が
現れた。
彼女は言う。
「イッキと別れても、やっぱり
『moment』の音楽は聴いちゃう
よね」
彼女は、何を
話しているんだろう。
「こんな事
私が言う事じゃないけど
イッキに未練があるなら
きっぱり諦めた方がいいよ
イッキはマリアと、また
付き合い出したから・・・
今度こそ、二人は結婚すると
思うわ、じゃあね」
彼女は今、何て言ったの?
杏の中にまた、樹への不信感が
募っていく。
鏡子の言葉は、杏の不安な想い
に語りかける。
浮かべて樹の事を話している。
あちら、こちらに、樹への愛
が溢れている。
「アンズちゃん、来てたの」
振り返った杏の傍に、鏡子が
現れた。
彼女は言う。
「イッキと別れても、やっぱり
『moment』の音楽は聴いちゃう
よね」
彼女は、何を
話しているんだろう。
「こんな事
私が言う事じゃないけど
イッキに未練があるなら
きっぱり諦めた方がいいよ
イッキはマリアと、また
付き合い出したから・・・
今度こそ、二人は結婚すると
思うわ、じゃあね」
彼女は今、何て言ったの?
杏の中にまた、樹への不信感が
募っていく。
鏡子の言葉は、杏の不安な想い
に語りかける。