蜜林檎 *Ⅱ*
音楽と共に繰り広げられる物語
に観客は息を呑む。
  
そして、『moment』の音楽に
彼の歌声に狂い、酔いしれる。
 
杏は、今更ながらに思った・・

彼はなんて

すごい人なのだろう。

杏は、樹に必死に手を伸ばすが
届かない。

彼を、ずっと、ずっと

遠くに感じた・・・

「本当、イツキって
 すごい表現力を持ってるよね
 人を魅了して離さない」

「うんうん、目が離せなく
 なるんだよね」
 
瑠璃子とあやめは、ライブ後の
興奮も醒め遣らぬ中

今日のライブを振り返って
盛り上がっている。

杏は会場内、会場の外、辺り
一面を見渡した。
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