明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。


それは他の男からもらったものだと俺は知っている。

そのことを知ったときも別段そうショックでもなかった。



明るいブラウンの巻き毛が長く彼女のカラダに巻きついているようだ。

同じ長い髪でも雨霧とはまったく違う。


「さよなら」

そう言いながら彼女は真っ赤なルージュをひいた唇を俺の唇に押し当てて出て行った。


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