明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

俺のことを避けているはずの彼女がどうしてここに?

彼女は手のひらに何かを握っていたようだった。

そのスキマから何かがキラリと光る。

「なにか…」

「あの、先生…」

同時に言ったあと彼女は俺に譲る。

「すいません…先生から…」

俺はさっきまでのどから出掛かっていた言葉を飲み込んでしまう。

聞きたかったことのはずなのに。


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