修羅と荊の道を行け
揉めている声が聞こえてくる。

「何でオレの下着をお前の男に貸さにゃならんのだ!」

「いいじゃん!あんた私の父親みたいなもんだって自分で言ってたじゃない!娘のお願いを聞いてよ」

「比喩表現みたいなもんだろが」

「じゃあコレとコレ借りるね」

「わっ、そのパンツいくらすると思ってんだよ」

「たかだかパンツにいくらかけてんのよ」

「見えない所にも気を使うのが男の嗜みってもんだ」

「知らない知らない、じゃあ借りて行くね」

声だけが聞こえていたが咲耶がようやく顔を出した。

再び屋根を渡って戻って来た。

「早く中入って」

咲耶は急ぐように窓をしめた。

「咲耶、返せ!」

金髪クルクルが咲耶と同じように、屋根を渡って来た。

窓に入ろうとした途端、パンと窓をしめ、手を挟まれまいと手を引いたせいでバランスを崩して落ちて行った。

「さ、お風呂こっち」

「大丈夫なのか?」

「うん、下に植え込みになってるからいつものこと」
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