修羅と荊の道を行け
全然眠れなかった。

「しゃっきとして、しっかりね」


氷樹ちゃんに背中を叩かれた。

「出来るかな?」

「大丈夫よ。浪川くんは咲耶ちゃんを大事に思ってるから、咲耶ちゃんが少しでもダメだと思えば、いつでも待ってくれるよ」

「それじゃ申し訳ない気がする」

浪川くんは私のために色々してくれるけど、私は何もしてあげていないきがする。

「その気持ちがあれば充分よ」


浪川くんが来るのは、8時だ。落ち着かず玄関で待っていると父親が声をかけてきた。

「取材旅行だそうだな」

「うん」

「仕事熱心なのは結構なことだ。しっかりな」

それだけ行って奥に戻って行った。


「何?」

浪川くんからメールが来て、外に出た。

家の前に浪川くんの車が泊まった。すっと車から下りて私の前に来た。

「おはよ。あけましておめでとう。今年もよろしくな」

「おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」
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