修羅と荊の道を行け
「こう言うのって、他人同士じゃないと話せないからさ、つい盛り上がっちゃうね」

「そうですね。テンションが上がるにつれて向こうは引いて行きますから」

オレたちはすっかり意気投合した。

風呂から上がって、一緒にコーヒー牛乳まで飲んだ。

「楽しかったよ。ありがとう」

「こっちこそ。ありがとうございます」

14歳年上を落とした男の話しを聞けて、咲耶との結婚をさらに現実のモノとして、そのテクを実践させて貰おうと思う。

グッと握手をしてオレたちは別れた。

偶然の出会いに胸を熱くしながら戻ると、咲耶はまだ戻っていなかった。

戻ってすぐに仲居が夕食の準備だと入って来た。

パンフレットと同じような食事がどんどん並べられて行く。

「奥様はお風呂でございますか?」

「はい。風呂好きなんです」

「当宿のお湯は美肌に効果があると言われておりますので、更に奥様がお綺麗になりますね」
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