どこかで誰かが…
「ちょっ!キヨの彼女も聞いてくれる?佳菜子は被害者なんだぜ。八つ当たりの的だよ的!」

「!」


ゆっこは目をパチクリさせ佳菜子を見た。


「そんなことないよ!」

「いや!かなりのもんだったよ。だって俺、はじめイジメてんのかと思ったもん。」

「ウソつけよ〜、」

「マジマジ!つーかさ、俺まだ、佳菜子のことあんま知らなくて、静かで内気な子だとばっかり思ってたのに、キヨに向かって負けずに言い返してっからビックリしてさ〜。口喧嘩してると思ったら笑ってるし…他のヤツとは全然接しないくせにだよぉ。“なんだコイツら?”って、すげー気になってさぁ。そしたら幼なじみだっつーじゃん!」

「へー、そうだったんだぁ。」


自分と出会う前の清瀬の話に、
興味津々のゆっこだったが、


「でも!今は俺の彼女だからぁ、佳菜子イジメは俺が許さないのだぁ。」

「人聞きワリーだろ。」

「優しくするのもダメ〜!」

「おま、めんどくせ!」


結局、自分の惚気話に変えてしまっている大沢に、
初対面とは言え、軽く呆れていた。


「いーから注文しよ。すみませーん!」


今となっては、そんな大沢の暴走を止めれるのは、佳菜子しかいようだ。


(結局この男は、佳菜子に手綱を引かれてることにも気付いてないんだなぁ。単純なんだ…可愛い。)


少しだけ、羨ましく思えてしまうのが、悔しいゆっこだった。

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