どこかで誰かが…
「だって、どっかに擦り付けられたら、俺の立場なくね?」

「だって、どーすんのこの指!」


と、佳菜子が指を差し出すと…

その手をとって顔を近付け、
そっとキスをするのだった。



いくら、友達づきあいを大切にする大沢でも、
女の子の前で、どれだけカッコつけて見せていようとも、

こうして、おどけてみせるのは、自分にだけだと信じる佳菜子の、彼氏と過ごす初めてのクリスマスだった。

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