どこかで誰かが…
学校の最寄り駅の改札口には、
ゆっこと清瀬の姿があった。


「あー、来た来た!」

「遅せーよ!」

「あれ?」

「俺が持ってってやるって言ったんだけど、こいつが、行き違うからダメだってさ…」

「ごめんごめん!」

「じゃあコレね。今からミシンなんて間に合うの?」

「おまえ、おばさんにやってもらうつもりだろ?」

「ふんっ!ってことで、急いで帰る!カズぅ〜は、ゆっこちゃんと語らって、ゆーっくり帰って来てくださいな!」

「は?俺も、もう帰るよ!」

「い〜からい〜から!あ、ゆっこちゃんじゃあね!ありがと!」

「俺も帰るっつーの。じゃな!」

「うん。明日。じゃね!」


結局、清瀬と一緒の電車で帰ることになった佳菜子は、空いているシートなど見向きもせずに、ドアの近くに立った。


「おい、座んねーの?」

「うん。あんたは座れば?疲れてんでしょ?」

「…ったく、ワケ分かんね。」


頑なに背を向け、外を眺める佳菜子の態度の変化に、清瀬は本当は気が付いていたが、ただ、面倒くさかった。


駅に着くと、

「俺、今日チャリだから。」

「そっ。じゃね。」

「…後ろ、乗ってくか?」

「いーや。」


清瀬を突っぱねて、佳菜子はバス停に向かって行く。

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