どこかで誰かが…
詳しいことを聞いてこない清瀬の背中は、なんだか、とても安心できて…

泣きはじめたら、止めどなく流れ出す涙とともに、
胸のつかえも流れ、
なんとなく、気分も晴れた気がした佳菜子だった。


こうして、徐々に元気を取り戻し、
いつしか季節も夏の薫りを漂わせはじめ…

気がつけば、部活も引退へと近づき、
体育館で練習できる日も、指折り数えるほどになっていた。


女子バスケ部と男子バスケ部は、以前に比べ交流が深まっていて、
特に、2年生は男女そろって仲が良く、

「若いってい〜な〜。」

その様子は、時に羨ましくも見え、

「何それ?ウケるんだけど。」

佳菜子を除く女子バスケのメンバーは、昼下がりのベランダで語らっていた。


「っていうかさ、若さとかの問題じゃないよね?2年が積極的なんだよ。石井だって、佐倉ちゃんに告られてつきあうことになったんでしょ?」

「みたいだね。彼女ができる前は、なんとも思わなかったんだけど…今となったら、意外とイー男に見えてこない?」

「佐倉ちゃんが男にしたんじゃないの〜」

「あー、なるほどね。」

「それってさ、あたし達3年女子が役不足ってこと?」

「…だって!ろくな男いないじゃん!」

「…2年からは良く見えんのかな?」

「あと誰がいる?」

「…モッチー!!」

「そーだよ!キャプテン差し置いて石井って…なんで?」

「つーか、モッチーって、彼女いないの?」

「さぁ…」

「…あんたイケば?」

「いやいやいやいや。ご冗談を。」

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