どこかで誰かが…
「あたしね、ここしばらく、皆と離れてみたの。そしたら佳菜子の気持ちが分かるかと思って。」

「あれって、そーだったんだぁ。堀口のこと避けてるんだとばっか思ってたよ。」

「気付いてたの?」

「まあ。」

「あたしが一人でいるより、佳菜子の方が心配なんだ!?」

「おまえはクラスの奴とも上手くやってんじゃん。でもアイツは、ホントに独りになるから。」

「…信じらんない…最低!」


堪えきれず、捨て台詞を吐きながら清瀬の横を通りすぎるゆっこ。


「待てよ」

そんなゆっこの腕を掴み、引き止める清瀬だったが、

「離して!」

「まだ話、終わってねーし!」

「べつにあたしは!…もう、別れてあげるから!」


その手は、払い除けられ…


階段を下りて行くその背中に、慌てて清瀬が吠えた。


「別れてあげるってなんだよ!そんなもん頼んだ覚えねーぞ!別れねーかんな!」

「!」


立ち止まるが振り返らないゆっこに、清瀬は続ける。


「俺がおまえに告ったんだ!」

「…だって、」

「喧嘩の理由が堀口って、なんなんだよ!」

「あたしには重要なことなの!いつもいつも…今だってこうして、佳菜子んとこに行こうとしてんじゃん!」

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