どこかで誰かが…
「つーことで!…どうする?堀口は、このままほっとくか?」

「…あたし、行って来るよ!」

「…そ?」

「うん。…誤解はちゃんと解かないと…ね!」



こうしてゆっこは、本日ニ度目の屋上に向かい、今度は軽快に階段を駆け上がって行った。


一方、

屋上のフェンスに寄りかかって座る佳菜子は、弁当箱の中の最後のプチトマトを箸で転がしながら、ため息をひとつ吐いていた。


(いつもいつも、こんなに良い天気とは限らないもんね…)


この先のことを考えながら、ふと空を見上げた時、
視野に入ってくる人影に気付き…

目を向けると、

「あ…」

それはゆっこだった。


徐々に近づいてくる、その姿から目を離すことができず、
腰を下ろしたまま、不安そうな顔で見上げる佳菜子に、

「こんなトコで…一人で何してんの?」

ゆっこの方から話しかける。

すると、

「見て分からない?お弁当を食べてるんだけど。」


ゆっこに対し、強気な態度をとる佳菜子が珍しく、

「佳菜子が一人になることないでしょ!ろくに友達もいないくせに。あたしはホラ、クラスにも友達たくさんいるし…カズだっているわけで…」


謝らなければならないのに、説教じみてしまい、しまいには、
ただの惚気話に発展しそうで…

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