どこかで誰かが…
そんなメールでのやりとりのあと、
電車から降りた清瀬は、
改札のそばに佳菜子を見つけた。


「…誰待ち?」

「コレ、どーゆー意味?」


清瀬の目の前に、携帯電話の画面を見せ付けると、

「そーゆー意味。」

と、だけ言って、
とっとと歩いて行く清瀬を追い掛ける佳菜子。


「はあ?お節介ってなによ?!」

「そーじゃん。友達のためーとか言って、必死にくっつけようとしてさ。」

「…まだ根に持ってんの?ごめんって!まさか、二股掛けてたとは…昔はあんな子じゃなかったから」

「そのことじゃねーよ!つーか、もう、吹っ切れたから…そのことは言うな。」

「小学校からの想いに、とうとう終止符か…きっかけができて良かったんじゃないの?」

「…幼稚園からだよ。」

「あー、それはそれは」

「おまえもな!」

「なによ?」

「中学からの想いが叶って良かったな!これで岡島も、あのスカシ高木に行けるってわけだ?」

「…なに?あんた、なんか知ってるの?」

「ふつー分かるだろ?あんだけ見てりゃぁ。」

「何を?」

「高木を」

「…誰が?」

「岡島が。」

「え?逆だよ。」

「…高木は…ちげーだろ。」

「違くないよぉ!私、いつも近くで見てたもん!」

「俺だって見てたっつーのお。…あ、サワに見張り頼まれてた訳じゃねーぞ。」

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