どこかで誰かが…
清瀬は、女子バスケ部の今の状況は知らない。


ただ、独りで帰る佳菜子を見て、

「これだから女は面倒臭いんだよなぁ。」

他人事に思いながらも、
少し、責任を感じていた。


「岡島〜!」

「ん?」

「アイツ知らない?」

「…帰ったんじゃない?」

「あれ?高木がいなくなったら、堀口は用済み?」

「な!何言ってんのよ!」


ゆっこは、周りを見渡した。


清瀬の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、
他の部員は、その横を通り過ぎていく。


「図星。」

「違う!」

「ムキになるところが怪しい。」

「…違う…まだちょっと、気持ちが整理できないだけ…」

「思うんだけど、高木はさ、堀口とどうにかなってても、あっちに行ってたよ。」

「!」

「つか、堀口が行かせてた!そーゆー女だから、あれは。」

「…よく分かるんだね。」

「幼なじみだからな。」

「佳菜子は、腐れ縁だって言ってるよ。」

「あれ?俺の話題が出ることあんの?」

「…たまに。」

「嬉しいねー。」

「悪口だけどね。」

「だろうな。アイツが悪口言う相手なんて、俺ぐらいしか居ねーもん。」

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