どこかで誰かが…
清瀬が階段に向かうと、


「お、」

「しっ!」

そこに、ゆっこが立っていた。


「盗み聞きはいけないのよん。」

「…」

「ありゃ高木の言葉だな。いなくなってみて、はじめて気づいた気持ちってヤツか?」

「!」

「気にするな!学校が違ったって恋愛は成立するよ。じゃなきゃ、女子校男子校はどうすんだよ。同性愛推進校ってか?」

「あはは。あ…」

「連絡しようと思えば、いくらでも手はあるんだ。なのにしないのには、何か理由があるんだよ。俺、経験者だから分かっちゃうんだよねー。おまえだってそーなんじゃねーの?」

「…」

「だからほっとけば良い。」

「冷たいよね?」

「は?」

「清瀬は彼女にもそんな感じ?」

「…いや。」

「もしそーなら哀しいから…あたし、告るの止めとくわ。」

「…はい?」

「…っと…考えといて!」

「え、ちょっ!ちょと待てい!」

「だから待つよ!返事はいつでもいーん」

「そーじゃなくて!」

「…そーじゃなくて?」

「…」

「なによ?」

「つきあいたい…です。」

「…」

「うん、つきあおう!」

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