憂いの塔
序章



闇が月を食らう


生温い風が辺りを通り抜けた。





人通りの少ない路地で、ある1人の若造がいた。



黒い着物を着、無表情だ。


顔の左半分は深紅に染まっている。



足元に、ごろりと一体の死体があった。



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