憂いの塔



庭に出ようかと考え、私は立ち上がった。


歩く度に畳や床板が軋む。



霧生の横を通り過ぎ、縁側から下りた。


勿論、裸足ではない。


置いてあった草履に履き替えた。





庭は、色々な木々だ立ち並んでいた。


よく手入れされているようだ。


辺りの様子は、大きな立ち塞がる塀で分からなかった。


だが、オレンジ色の空が私を見下ろしていた。



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