パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「来ました!!」


若いADの男性が向こうから走って来る。
次の仕事が押して来た奈桜のマネージャーは大きくため息をついた。


「君、ちょっと」


プロデューサーは来るなりさっきのADを人差し指をククッと動かして呼び付ける。
奈桜はその光景をチラッと見た後、頭上を通り過ぎて行く飛行機雲を見上げた。


その時―


「えっ!?」


体がカッチカチに固まった。
視界の隅に微かに映ったのは黄色いかばんを肩から下げたポニーテールのカワイイ女の子。


それはー


「桜!!……何で!?」


一瞬で頭がパニックになる。


「何で桜が…?ヤバイ。逃げなきゃ…いや、隠れる。いや…えっ?どこに?どこに隠れる?マズイ…マズイよ」


奈桜は滑り台の上の狭いスペースで右往左往する。
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